動物病院開業を成功させるのに重要な要素となるのが開業場所だと思います。なるべく競合がいなくて、なるべく人が多いところがいいのは間違いないのですが、今どきそんな場所はあるのでしょうか?
はっきり言って「そんな場所はない」が答えです。時々ニュータウンができたのを狙って開業した話も聞きますが、後でお話するようにそこにも大きなリスクが潜んでいます。ではいったいどこで開業するのが一番リスクが少ないのでしょう?一番成功しやすい場所は都心(人口が多い場所)でしょうか?郊外(競合が少ない場所)でしょうか?
郊外型
郊外で開業するメリットは競合が少ないところで開業できることだと思います。もし仮に1つも動物病院がない市町村で開業した場合、当然近いからという理由でその市町村内のペットが集まることでしょう。人口1万人の町で開業したとして、ペットの保有率が30%(人口に対する飼育頭数)なら潜在顧客は3000頭、そのうち半分が最初の一年で来ればいきなりカルテは1000件を超えます。いいスタートですよね?
でもどうでしょう?その町のペットがすべて来たとしても3000頭、しかも少子高齢化時代の町村ですから10年後は間違いなく2000頭を切ってきます。これでもう1件病院ができてしまったら・・・
このように、郊外や人口の少ない場所で開業する場合はスタートが良くて後は徐々に落ちていく経営になることを覚悟しましょう。有名になって遠方からも受診してもらえるようにならない限りは将来的なリスクが高い場所ということになります。仮に、たまたま人口増加が期待できるニュータウンで開業できたとしても、結局サビれてしまったニュータウンはたくさんありますし、もし順調に増加すれば他にも病院が増える可能性は高くなるでしょう。
都心型
私はこのタイプの開業で、わざわざ競合の多い地域を選びました。もちろん根拠があってのことですが、いろいろ失敗したこともあり、開業当初はしばらく苦しい経営が続きました。
この種類の開業の場合、デメリットは患者を集めるのに苦労する可能性があることでしょう。経営が軌道に乗るまでに、以前は「3年我慢しろ」と言われていましたが、これからは5年以上かかると思っておいた方がいいかもしれません。それでも大都市では10件に1件が潰れています。中には最初から流行っている病院もありますが、立地、特色などの強みがある少数派なのであまり期待しない方がいいでしょう。
逆にメリットは潜在顧客数にほぼ上限がないこと。自分の能力次第でいくらでも売上を上げられる可能性があります。人口減少の影響も受けにくいので、その手のリスクは低いということになります。
結論
以上のことから、「あまり病院は大きくなくていい」、「開業当初に苦労したくない」という方は郊外型向き、「自分の力を試したい」、「しっかり稼ぎたい」という方は都心型向きではないでしょうか?
また、意外と重要なのが自分や家族が住みたい場所かどうかです。病院を建てたら一生そこに住む可能性が高くなるわけですから、自分が住みたい場所を選ぶのもありかもしれませんね。
