開業した後に

フード販売の囲い込み作戦について

 少し前に発売した〇ンチノールの販売方法が成功したためだろう。最近では飼い主様に対してネット販売していないフードの、サイトを通した継続購入の話を営業さんからよく聞く。ただ、これに関して私は先のない販売方法だと思っている。

 この販売方法は、まず1回目は病院で勧め、気に入ったらこのハガキに書いてあるサイトに行って、病院の紹介コードを入力し、あとは継続的にそこから買うというシステム。この方法は結局、ネット通販に流れてほしくない病院と自社のフードを売りたいメーカーが手を組んで、メーカーは信頼の厚い病院で優先的に売ってもらえる、病院は飼い主さんが継続購入することによって在庫を持たずにマージンだけ得るというのが目的。つまり、肝心の顧客のニーズが全く反映されていない販売方法なのだ。

 モノを売る場合、当然顧客のことを第一に考えるべきなのにこんなやり方では飼い主さん達がついてこない。一時的にでも、それなりに売れれば目標達成ってことなんだろうか?とてもプロがやっているマーケティングとは思えない。

 動物病院についても、いい加減にフードやサプリで稼ごうとするのはやめて、他にもっと自分にできることを考えればいいのに、と思う。

顧客の既存品に対するニーズは次の3つ。

  • もっといいもの
  • もっと安いもの
  • もっと簡単に手に入るもの

 いずれについても達成しているとは言い難い。今後も類似品の乱発や囲い込み戦法が続きそうだけど、誰のための商品か、今一度考えてほしいものです。そうでないと動薬メーカーや卸さんたちは生き残れないでしょう。

今後開業獣医がせまられる選択

ペットが減少し、動物病院は増え、さらにネット販売の増加、院外処方の増加、仕事のAIへの代替がわかっている以上、開業獣医にとって今のままのやり方では苦しくなっていくのが明らかなわけで、そろそろ我々は次の選択肢から選ばなければならないところにきている。

 

  1. より専門性を高め、高度獣医療に徹する
  2. カリスマ性を発揮し、病院を拡大し、地域の基幹病院として地位を確立させる
  3. 流れに身を任せ、なるようになると腹をくくる
  4. 小動物医療に固執せず、他の関連事業に拡大する

 

おわかりと思うが、1~3は激戦区における消耗戦で、競争に勝てばいいが、負ける可能性もそれなりに高いため、今後の経営手法としては私はおすすめしない。右にならえのやり方で、今までやっていることの延長のため気分的には楽なのだが、徐々に衰退していくリスクの高い方法であることに多くの開業獣医が気づいていない。いや、気づいているけど抗えないのかもしれない。

この20~30年で外部環境は劇的に変化しているというのに、動物病院で行われていることは医療機器がよくなったとか、電子カルテが増えたとか、軽微な変化に留まっている。もちろん、変化しにくい分野であるからというのもあるけど、今までのやり方にこだわらず、変化することを恐れず、働き方にイノベーションを起こしていく獣医がもっと現れてもいいんじゃないだろうか?

予防医療に力を入れている動物病院は潰れる!?

近年、動物病院の経営セミナーに参加すると必ず言われているのが「予防医療の強化」と「他院との差別化」だと思いますが、私はあくまで個人的な意見として予防医療に力を入れている病院はこの先ジリ貧だと思っています。

では個々の予防について考えてみましょう。

 

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