8話 患者の来ない動物病院

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 開業する前にいろんな先生たちの話を聞いていると、当時は「3年我慢すればなんとかなるよ」とか、「真面目に診療をしていればお客さんは自然と増えていく」的なことをよく聞いたものでした。でも今から考えると、そんなことを言っていたのは自分よりも10年以上前に開業した先生たちであり、すべてが遠い昔の神話に過ぎなかったのです。

 たぶん開業前の事業計画では1日平均5~7件くらいを想定していたんじゃないかと思うけど、実際は0や1のオンパレード。1日5件以上来る日なんてめったになく、「今日何しに来たんだろ?」状態でした。そんな状態でできることといったら、なるべく時間外の電話を受けて夜間診療で稼ぐことです。他に夜間診る病院が少なかったのもあって、1、2日に1件くらいは診察をしていたと思います。夜診察して、昼に寝てたことの方が多かったんじゃないだろうか?夜間診療にはたいへん助けてもらいました。

 少しずつは増えているような気がしても、しばらくガクンと落ち込む月があったりで、売り上げはかなり不安定です。運転資金はすごいスピードで減っていくし、併設のトリミングはいっこうに売り上げが上がらず、トリマーさんは毎日掃除だけしていました。そんな毎日に嫌気が刺したのか、売り上げを上げる努力をしなさいとプレッシャーをかけたのがまずかったのか、半年も経たない頃、トリマーさんから「辞めたい」と告げられました。初めて雇った従業員さんにこれを言われるのはけっこうショックなものです。病院の方もうまくいってないのに、「これは本当につぶれるんじゃないだろうか?」本気でそう思った時期もありました。

 動物病院は集客が非常に難しいです。地道に口コミなどで増えていくのを待っているだけの受け身の経営になることが多く、普段できることは限られています。それでもなくはないのでいくつかご提案。

・動物病院があることが一目でわかるように

 私の場合、病院の外観も看板もオシャレに作りすぎてしまったため、近隣の方にもなかなか動物病院があると気づいてもらえませんでした。車で通りすぎる人々からも気づいてもらえるくらい、業態はしっかり伝えましょう。

・ホームページは必須、できればSNSやブログの投稿も

 今時ホームページも作らず開業する人はいないと思いますが、やっぱり重要度は高いですよね。しかもただ作るだけでなく、内容も集客力があるものでないといけません。患者の来ない動物病院では役に立たない診療の勉強より、効果的なHP作りやSNS投稿について勉強しましょう。SNSやブログはホームページへとつながる枝です。たくさん伸ばすほどホームページのアクセス数は上がりますよ。

・開業したての頃は夜間や往診に助けてもらう

 やりたくない人も多いようですが、患者の来ない動物病院が売り上げを上げられる、数少ない方法です。どうせヒマなんだから、しっかりやって少しでも赤字を減らしましょう。診察が増えてきたらいつでも止められます。

9話 1年目で閉院か? へ続く

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